
あなたは普段、どのように髪型を決めていますか?
ただ何となくSNSやヘアスタイル画像などを見て、やりたい髪型を決めていませんか?
ヘアスタイルの中には、くせ毛に向いた髪型と、向かない髪型があります。
一見くせ毛風のスタイルでも、実はくせ毛のようなパーマをかけたスタイルや、直毛をアイロンで癖づけてスタイリングをしている髪型もあります。
「くせ毛風○○スタイル」とか、「パーマ×ナチュラルセンターパート」など、ただ動きがある、直毛ではない髪型を選び同じような髪型に挑戦してしまうと、想像していた結果とかけ離れた髪型になってしまうことも少なくありません。
本記事では、実際に私が担当している6名のくせ毛のお客様を例に、普段彼らがどのような悩みを感じていて、私がその悩みに対してどうアプローチをしたのか、実例を基に解説したいと思います。
くせ毛の生かし方が分からない方、どんなスタイルにすれば自分のくせの悩みを解消できるのか知りたい方は、是非参考にしてみて下さい。
1.くせ毛の生かし方
くせ毛は、いくつかの種類に分類されますが、同じ種類のくせでも、頭の形、髪の毛の量や太さなどによって、くせの状態は様々です。
加えて季節やその日の天候などによっても状態が変化するので、くせ毛を生かす為には、個々のくせの特徴を生かした、くせ毛の為のカットをする必要があります。
以下くせ毛の6名の方の要望にどのように答え、どんなスタイルを提案したのかを解説しますので、自分の悩みや希望のスタイルと比較しながら読み進めていただきたいです。
1ー1.細毛で襟足に強いくせ
【悩み】
- 髪が細い
- M字が気になる
- 乾燥して広がりやすく、手入れが難しい
【要望】M字が目立たない、短過ぎず、刈り上げないスタイル。
【解決策】センターパートにする。襟足はあえて少し長めに残す。後頭部に丸いシルエットを作る。
おでこが広くM字を気にされている場合、センターパートでM字部分を隠す方法が有効的です。
乾かすと緩やかなになる彼のくせの特徴を生かして、全体的に長さを残し、後頭部に丸いシルエットを作ることで、乾かすだけで形ができるような髪型にしました。
あえて長めに残した襟足は伸びても無造作なスタイリングが楽しめます。
1ー2.根元から強いくせ
【悩み】
- M字が気になる
- ハチが張っていてる
- くせが強くて上手にスタイリングができない
【要望】M字とハチが張りをカバーしたい。
【解決策】サイドを刈り上げる。トップは分け目をつけない。毛量を調整する。
センターパートにすることでM字を目立たせなくすることは可能ですが、根元のくせが強くハチが張っている人はセンターパートはおすすめできません。なぜなら根元のくせは膨らみの原因になり、さらにハチが張っていると、頭を大きく見せてしまったり、シルエットを悪くするからです。
ハチ上まで刈り上げることでハチ張りシルエットを改善し、M字を隠す為に前髪は厚めに(軽くし過ぎない)つくり、放射状(頭の形にそった形)にカットをしていくことで頭のシルエットをキープすることができます。
くせ毛の方がスタイリングが難しいと感じてしまう1番の理由は、髪の毛量や密度が邪魔をしてしまい、スタイリング剤をつけた手を上手に動かせないことです。
毛先がスカスカにならないよう、厚みをしっかりと残しながらも毛量や密度を調整することで、くせ毛を生かし、少量のスタイリング剤でも簡単にスタイリングができるようになります。
1ー3.太毛で多毛な強いくせ
【悩み】
- 顔まわりに強いくせがある
- 毛量が多い
- 伸びた時の広がりが気になる
- ごわつきが気になる
【要望】広がりにくく、ごわつきが気にならない、手入れがしやすいスタイル。
【解決策】サイドとバックを刈り上げて毛量調整と質感調整を行う。
太毛で多毛な強いくせを生かす為には、スタイリングした時にくせが動くスペースを確保することが大切で、ごわつきを改善する為には、毛量調整で、ふんわりと動くような柔らかい質感をつくることが必要になります。
柔らかくなったくせはとても動かしやすいので、前髪を上げたり、おろしたり、ワックスでトップに束感を出したり、ジェルやポマードで上品に仕上げたり、スタイリング剤によって何パターンも簡単にスタイリングが楽しめるようになります。
1−4.前髪の強いくせ
【悩み】
- 全体にカールが強いくせ
- 前髪に強い生えぐせがある
【要望】くせを生かしたさっぱりしたスタイルにしたい。
【解決策】サイドとバックは刈り上げて、トップはくせを生かして前髪の強い生えぐせをカバーする。
トップを全体的に短く切り、特に強い生えぐせがある前髪は、日によってくせの状態が変わっても簡単にスタイリングができるように、長さと毛量を調整してカットしました。くせが強い部分はあえてその時のくせの状態に合わせてスタイリングをすれば、毎回違う髪型を楽しむことができます。
襟足とサイドは伸びてくるとシルエットが悪くなる原因になるので、顔の長さ、首の長さ、後頭部の丸みのバランスを見て、それらが最もバランス良く見えるベストな高さまで刈り上げることにより、きれいな横顔シルエットをつくります。
1ー5.高密度、太毛、硬毛のくせ毛
【悩み】
- 毛量が多い
- 全体的にうねりがある髪質
- ハチが張っている
- 絶壁
【要望】柔らかい外国人風な質感、伸ばしていきたい。ハチ張りを改善したい。
【解決策】サイドとバックを刈り上げ、毛量調整と質感調整で髪に柔らかさを出す。
太くて硬く毛量が多いくせ毛を柔らかい質感にする為には、毛量をしっかりと減らし、柔らかさを出す為に毛先に長短をつける質感調整が必要です。しかし、毛量を減らし過ぎたり、過度な質感調整をしてしまうと、シルエットを崩したり、髪のコンディションを悪くする原因になります。
軽さはあるけれどボリュームが出るように毛量を減らし、スタイリングをした時に柔らかく動くような髪を再現できれば、太くて硬いくせ毛にも、外国人風な質感をつくることができます。
1ー6.細毛、軟毛、強いくせ
【悩み】
- 根元から毛先まで全体的に強いくせがあるので、伸びると手入れが大変
- 毛が細くて柔らかいのでスタイルのキープが難しい。
【要望】バッサリ短くしたい。くせ毛を生かした髪型にしたい。
【解決策】サイドを刈り上げて、スタイリングでスタイルをキープしやすいように毛量調整と質感調整をする。
細毛軟毛のくせ毛のカットにおいて、毛先を厚めに残すことと、毛量を減らし過ぎないことは、手入れしやすいくせ毛スタイルをつくる上でとても重要です。
モヒカンラインは乾かすだけでボリュームが出るような長さに切り、セットがしやすいように厚みがある毛先にしました。適度な毛量調整と質感調整は、シルエットの良さをキープし、スタイリング次第で様々なスタイルを可能にします。
ランダムに動く柔らかいくせと、短か過ぎない刈り上げの相性が抜群のソフトモヒカンスタイルです。
まとめ
一口に「くせ毛」と言ってもその種類は様々で、個々の頭の形や毛量、髪の太さや細さなど、その時のコンディションや天候によって異なります。
一見同じように見えるくせ毛でも、1つとして同じくせはありません。
先ずは「自分のくせの悩み」、「普段感じるくせの特徴」、「理想の髪型」など、具体的には以下のような事項について、全てを担当美容師に伝え、あなたの理想に近い髪型に挑戦してみることをおすすめします。
- 自分のくせのどんなことに困っているのか
- スタイリングをする時に難しいと感じるポイントはどこか
- 理想の髪型は何か。その髪型のどんなところに魅力を感じるのか
試した髪型のスタイリングのしやすさ、手入れのしやすさ、数週間後の見た目の変化などを覚えておいて、あなたの髪の情報を繰り返し美容師と共有すれば、あなたのくせが生きる理想の髪型に近づけます。
くせの特徴を生かしたオリジナリティー溢れる髪型が見つかる頃には、きっとあなたのくせの悩みは解消され、今よりももっと自分のくせ毛を楽しむことができるはずです。
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