
あなたは、「いつ見てもきれいな髪をしている女性」や、「いつも整った髪型をしている男性」を見て、「どんな手入れをしているのだろう?」、と疑問に思ったことはないでしょうか?
ロングのさらさらな髪、つやつやで綺麗なシルエットのボブ、躍動感のある刈り上げメンズスタイル
街で買い物をしている時、通勤や通学中の駅のホーム、雑誌やSNS等で素敵な髪の人を見かけた時は、そんな髪に憧れを抱いたり、同じような髪型に挑戦しようと思った経験があるのではないでしょうか。
中には新しい髪型に挑戦してみたり、理想の髪質を目指し、新発売のスタイリング剤を代わる代わる試した経験がある方もいるかもしれません。
その選択は間違いでないでしょう。なぜなら、髪のコンディションを常に良い状態でキープしている人の多くは、TPOでスタイリング剤を上手に使っているからです。
しかしながら、スタイリングによる一時的なツヤや保湿などの表面的な髪の改善はできたものの、効果に持続性が無いなど、髪の悩みを全く改善できなかったと感じた経験はありませんか?
そこで、本日はスタイリングで改善できるような表面的なケアではなく、「いつも髪型がキマっている人」が共通して行っている、あまり知られていない”根本的”なヘアケアについて解説します。
私が実際に担当している、髪質、毛量、骨格が異なる5名のお客様を例に記事をまとめましたので、今の自分の状況や理想と照らし合わせながら読んでいただければと思います。
1. 散髪の頻度は45日に1度がベスト
いつも髪型がキマっている人は、例外なく定期的に散髪をしています。
そして、その大半は45日に1度(約1ヶ月半)で散髪をしています。
45日というと、以下を想像すると簡単にイメージしていただけると思います。
- オン眉で切った髪が目にかかる
- 揃っていた毛先が不揃いになる
- 刈り上げが伸びて刈り上げ感が完全になくなる
月に1cm伸びるといわれる毛髪は、45日間で約1.5cm〜2cm伸びます。
2cmと聞くと大した差ではないと感じるかもしれませんが、上記の例のように髪が2cm伸びれば、その違いは見た目ではっきりと感じられます。
たくさんの人が抱える髪の悩みは、髪が約2cm伸びる45日頃から症状が明らかになります。
では、実際に、ショート、ミディアム、ロング、メンズの各長さにおいて、45日以降、スタイルはどのように崩れ、髪の悩みへと変化をしていくのか解説していきます
2. ショート
- ショートボブ
- ボブ
- ミニボブ
- ショートレイヤー
- グラデーションボブ(グラボブ)
- マッシュショート
ミディアムやロングと比べてもダントツで種類が多いショートスタイルですが、長さが短い為、シルエットが崩れたり、手入れが難しくなるなど、髪が伸びた時の変化がわかりやすいという特徴があります。
こちらのショートボブスタイルをご覧ください。
前回のカットから7週間が経過して、最も大きく変化が表れた3点について解説します。
- 襟足
- 後頭部の丸み
- 毛量の増加
2−1. 襟足
ショートスタイルで最も変化が出る箇所は、毛量がたまり易い襟足(えりあし)です。
前回カットから45日以上が経過すると、完全に刈り上げが隠れます。
襟足の崩れは頭全体のシルエットを崩してしまいます。
見た目で襟足のシルエットの変化を感じた時、もしくは襟足の毛量が増えて手入れが難しくなる前のタイミングで散髪することで、手入れしやすく見た目が整ったスタイルをキープできます。
2−2. 後頭部の丸み
ショートボブにおいて、後頭部の丸みはスタイルのバランスを左右するとても重要なポイントです。
後頭部の丸みが見せる シャープさや女性らしさ は、髪の長さが伸びることで、形やバランスが大きく変わるポイントになります。
画像のスタイルは、刈り上げた襟足と丸みのあるスタイルが「個性的で丸さのあるやわらかい印象」を与えているのですが、全体的に前下がりのシルエットにすることで、「シャープさ」や「女性のかっこよさ」をプラスしています。
襟足が伸びて後頭部がフラットになると、シャープさ、かっこよさが失われ、画像の右のスタイルのような躍動感がないスタイルになります。
2−3. 毛量の増加
長さが短いショートは、トップのボリュームを出したり、襟足をすっきりさせたり、後頭部の丸みをきれいに出す際に、 ミディアムやロングのスタイルよりも、毛量調整 (すきバサミで量を減らしたり、毛先に長短をつける)をする範囲が大きい特徴があります。
その為、量を減らし、長短をつけた髪が時間の経過とともに伸びるてことで、シルエットのバランスや質感に大きな影響を与えます。
手入れのしやすさ、見た目のきれいさを良い状態でキープする為には、定期的なカットで適切な毛量調整が欠かせません。
3. ミディアム(顎下から肩下くらい)
- ボブ
- ロブ
- ミディアムレイヤー
- ウルフレイヤー
ミディアムの最大の特徴は、
顎ライン、首ライン、デコルテライン をカットによってどう見せるのかをコントロールできることではないでしょうか。
顎下から肩下くらいの長さのミディアムスタイルは、「頬」、「首」、「肩」に近い長さのスタイルの為、髪が伸びることで、顔周りの印象や手入のし易さをガラッと変えるスタイルです。
こちらのミディアムレイヤースタイルをご覧ください。
前回のカットから約6週間、ちょうど45日程が経過して、これから変化が表れる3点について解説します。
- 毛先のバラつき
- ふんわり感
- 毛量の増加
3−1. 毛先のバラつき
ショートと違いミディアムは長さがあるので、髪全体の外的なダメージ(紫外線、就寝時の毛の摩擦など)を受けやすく、それらのダメージ具合や、髪が伸びることで生じる長さのバラつきなど、見た目の変化を感じやすい特徴があります。
前回のカットからちょうど45日程ですが、真っ直ぐな毛先のラインが崩れ、毛先にバラつきが見えます。
整った毛先のラインとバラつきがある毛先は、遠くから見るとその違いがはっきりと分かります。
3−2. ふんわり感
ふんわり感があるミディアムスタイルの場合、ショートよりも、重たさを軽くし、毛先の長短をつける毛量調整や質感調整を大胆にしています。
6週間が経過し、ふんわり感を出す為に減らした毛量が徐々に増え始め、整えた毛先の質感に変化が表れ、ふんわり感がなくなってきています。
3−3. 毛量の増加
ミディアムスタイルにおいて毛量の増加を最も感じるのは、毛先部分です。
トップにボリュームを出したり、毛流れを出す為に毛量を減らした毛先は、時間の経過とともに変化が表れます。
毛量の増加は、見た目のきれいさと手入れのし易さを左右するポイントになります。
4. ロング
- ロングレイヤー
- ワンレンロング
- ロンググラデーション
ロングは、ドライヤー、ブラッシング、紫外線、摩擦、乾燥などによるダメージの影響を最も受けやすい特徴があります。
ダメージの外的要因を最小限に抑えながら定期的なカットをすることで、ロングスタイルを良い状態でキープできます。
こちらのロングレイヤースタイルをご覧ください。
前回のカットから8週間が経過して、大きく変化が表れた3点について解説します。
- 全体の毛量の増加
- 毛先のパサつき・絡まり
- シルエットの崩れ
4−1. 全体の毛量の増加
特に画像のようなレイヤー(段が入ったスタイル)スタイルは、ショートやミディアムに比べて、ふんわりさせたり、毛先の動きを出す為に、毛量を調整する量が多いのが特徴的です。
ふんわり感をキープし、ひろがりを抑え、収まりを良くする為には、毛量調整はとても重要です。
4−2. 毛先のパサつき・絡まり
毛量が多いロングを、適度なふんわり感や軽やかな毛先の動きを作る場合、通常は毛先の長短をつけたり、毛量調整が大きくなされています。
特にダメージを受けやすい毛先においては、髪の毛の長短の差や、減らした毛量が時間の経過とともに毛先のパサつきや絡まりに大きく影響します。
4−3. シルエットの崩れ
ロングにおいても、シルエットの崩れの大きな原因は、毛先の長さの変化と毛量の増加です。
ウェーブが野暮ったくならないように毛量をしっかりと減らしてクセを生かすカットをしている為、8週間が経つと毛量が増えて、ウェーブに軽やかさが無くなります。それに加えて、広範囲にレイヤーを入れた毛先が伸びたことによりバラつきが生まれて、全体のシルエットを崩しています。
5. メンズ
- メンズショート
- メンズミディアム
- メンズロング
- 刈り上げスタイル
- メンズウルフ
- メンズマッシュ
メンズスタイルの特徴は、ワックス、ジェル、ムースなど、スタイリング剤を使って仕上げる髪型が多いことです。
スタイリングをしている時も、していない時もカッコよく、手入れが簡単にキマる髪型が理想的です。
こちらのスタイルをご覧ください。
どちらのスタイルも経過が45日以内なのですが、これから特に手入れが必要になるポイント3点について解説します。
- 刈り上げ
- 根元、中間、毛先の毛量
- 質感
5−1. 刈り上げ
刈り上げは数週間もすれば毛が伸びて完全に隠れてしまいます。
刈り上げ部分が伸びることで、シャープさ、スタイリッシュさが弱くなり、よりナチュラルな印象になります。
襟足の毛が伸びて後頭部の丸みがフラットになるなど、シルエットにも大きな変化が表れます。
5−2. 根元、中間、毛先の毛量
髪全体を根元から毛量調整をするスタイルが多いのがメンズスタイルは、髪が伸びた時の毛量の差や、毛先の長さの差が髪全体の見た目のシルエットと手入れのしやすさ大きく変える為、女性よりも散髪頻度が比較的多いのが特徴です。
5−3. 質感
太くて硬い髪を柔らかく動くようにしたり、細くて柔らかい髪にボリュームを与えたり、パサついた毛先の指通りを良くするなど、質感調整がしっかりとなされたメンズスタイルは、髪が伸びることで髪全体の質感に大きな変化が表れます。
質感を調整することで、髪のまとまりを与え、きれいなシルエットをつくります。
オン、オフ、どちらもキマる髪型には毛量調整同様、質感調整も欠かせません。
6. まとめ
ショート、ミディアム、ロング、メンズ、各スタイルにおいて、髪が伸びるとどのような変化が現れて、どのような髪の悩みにつながるのかを解説しました。
スタイルが崩れて見えたり、手入れが難しくなるポイントと時期は各スタイルごとに決まっています。(例: ショートの後頭部の丸みが崩れる、ロングの毛先がバラつき、まとまりが悪くなるなど)
スタイルが崩れ手入れが難しなりはじめる45日に1度カットをする
ぜひ「いつも髪型がキマっている人に共通する意外なヘアケアルーティーン」を試してみていただきたいと思います。
とてもシンプルですが、「見た目のきれいさ」と「手入れのしやすさ」を維持する定期的なカットは、間違いなく髪の状態を良くします。髪の状態が良くなると、いくつもの髪の悩みが解消され、やってみたかった髪型に挑戦できたり、憧れられる髪に近づけます。
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